なぜ今、平成レトロの象徴とも言えるテキスト表現が息を吹き返しているのか。渋谷の街頭で10代後半から20代前半の若者に取材を行うと、「絵文字はみんな使っていて個性がない」「3Dの絵文字やアニメーションスタンプは情報量が多すぎて疲れる」という声が多数聞かれた。彼らにとって、シンプルな記号の羅列である顔文字は、余白のある「エモい」表現として映っているようだ。
スマートフォンの予測変換機能の進化もこのトレンドを後押ししている。「ばいばい」と入力するだけで、数十年前の掲示板で見られたような懐かしい顔文字がずらりと並ぶ。かつてのように自作したり、専用の辞書アプリをダウンロードしたりする手間がなくなり、手軽にレトロな雰囲気を演出できる環境が整ったことも大きい。