離婚後、息子の佐藤光は母親に引き取られ、群馬の祖父母の元などで育てられました。父親である寿也の存在は「遠いテレビの中の国民的スター」であり、生身の父親としての記憶やスキンシップはほとんど存在しないまま成長します。
『MAJOR 2nd』序盤で光が三船町へ引っ越してきた際、吾郎の息子である大吾と出会い、野球の面白さに目覚めていきます。しかし、その背後には「自分を捨てた(ように見えた)偉大な父」に対する強烈なアンビバレンス(愛憎半ばする感情)が渦巻いていました。
光の怪我と向き合うことで始まった「父子の再出発」
光が中学時代に負った大怪我や、その後の野球への執着・屈折した態度は、寿也がかつて抱えていた精神的危うさと鏡写しの関係にあります。寿也自身も「自分は父親失格である」という自責の念から、光に対して正面から向き合うことを恐れていました。
しかし、吾郎の介入や大吾たちの真っ直ぐな野球への姿勢に触れる中で、寿也は逃げることをやめ、一人の指導者として、そして父親として光のケアに深く関わる決意を固めます。完璧な家庭を取り戻すことはできなくても、「過ちを認め、今の自分にできる精一杯のサポートをする」という姿勢こそが、2人の関係を修復へ向かわせたのです。