UAゼンセンの傘下には、極めて多様な産業が含まれている。特に主力を成す流通・サービス産業と繊維化学業界では、置かれているビジネスモデルや収収益構造に大きな違いが存在する。前者は極端な人手不足に伴う採用難と労働密度の高さが課題であり、後者はグローバルな原料価格の変動や海外競合との価格競争に晒されている。
そのため、労働条件改定の真相を探ると、業界ごとの事情に応じた極めて緻密なアプローチが採られていることがわかる。単一の基準を押し付けるのではなく、各業界の収益性に合わせたベースアップの原資を確保しつつ、同一労働同一賃金の理念を厳密に適用する工夫が重ねられている。この泥臭い調整作業こそが、二つの異なる業界で働く労働者たちのモチベーションを支える根底にある。