東京メトロ日比谷線・三ノ輪駅から徒歩約9分、土手通り沿いに歩みを進めると、突如として大正浪漫の薫りを漂わせる木造建築が現れます。桜なべ中江の歴史は、初代・中江米吉氏が吉原を訪れる文人墨客や粋人たちに馬肉料理を振る舞ったことに始まります。
大正13年(1924年)に再建された現在の店舗は、関東大震災の教訓を生かした堅牢な造りとなっており、平成10年代には国の登録有形文化財に指定されました。職人の手仕事が光る木製階段、使い込まれた飴色の柱、格子窓から差し込む柔らかな光など、暖簾をくぐった瞬間にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。さらに敷地内には、かつて待合として使われていた風情ある離れ「別館 金村」があり、会席や特別な会合の場として今なお重宝されています。