日本のサスペンスドラマ界において、「女王」と「帝王」の異名をとる二人。彼らが『小京都ミステリー』でタッグを組んだ全30作は、文字通り2時間ドラマの黄金期を象徴する作品群だった。日本全国の小京都を舞台に、旅情と事件捜査を巧みに融合させたスタイルは、視聴者に「一緒に旅をして事件を解決している」ような没入感を与えた。
片平なぎさが演じる凛とした正義感と少しお茶目な一面を持つライターと、船越英一郎が演じる頼もしくもコミカルなカメラマン。この対照的な二人のキャラクター造形が完璧に噛み合ったことこそ、番組が長年愛され続けた最大の理由と言える。現場でのリアルな息遣いがそのまま画面に滲み出るような芝居は、計算された脚本以上の熱量を生み出していた。