インターネットと映像メディアの普及も、方言漢字の再発見に拍車をかけている。かつて放映された地域文化に焦点を当てたドキュメンタリー番組がNHKオンデマンドなどを通じて再評価され、地方の奇妙な漢字をめぐるエピソードが若い世代の知的好奇心を刺激している。
SNS上では、旅先で見つけた読めない道路標識や、地方銘菓のパッケージに記された珍奇な漢字の画像を投稿し、その来歴を推理し合うコミュニティが賑わいを見せる。かつては地元住民だけが知る閉ざされた符牒だった文字が、今やグローバルなネットワークの中で「エモい地域遺産」として脚光を浴びているのだ。
標準化された明朝体やゴシック体があらゆる画面を覆い尽くす時代だからこそ、無骨で個性的な手書き文字や局地的な漢字に、人々は人間味あふれる温もりと物語を見出しているのかもしれない。