卵の黄身が2つ同時に包まれる理由は、鶏の体内で起きる排卵周期のズレにあります。鶏の卵巣では、ブドウの房のように連なった卵胞(黄身の元)が成熟し、通常は約24時間から26時間ごとに1つずつ卵管へと排卵されます。排卵された卵黄は卵管を下りながら、約3時間をかけて卵白を分泌され、続いて卵殻膜(薄皮)、そして最も時間をかけて頑丈な炭酸カルシウムの殻(卵殻)が形成されて体外へ産み落とされます。
ところが、若鶏の産卵初期(生後150日前後から産卵を始めて数ヶ月の期間)は、生殖器系をコントロールするホルモン分泌のバランスがまだ安定していません。人間の思春期において月経周期が不安定になるのと同様に、鶏の体内でも排卵リズムが乱れやすくなります。
その結果、1つ目の卵黄が卵管へ放出された直後、数十分から数時間というごくわずかな時間差で2つ目の卵黄が続けて排卵されてしまうケースが起きます。近接して卵管を移動する2つの卵黄は、後続の分泌腺によって「1つのまとまり」として認識され、同じ卵白の層とひとつの硬い殻の中に包み込まれます。これこそが、二黄卵が誕生する決定的な生物学的メカニズムです。
産卵を開始して半年以上が経過した成鶏になると、ホルモンバランスが完全に整うため、このような連続排卵はほとんど見られなくなります。つまり、二黄卵は若々しい鶏が大人へと成長していく過程で生じる、ごく自然で過渡的な生理現象なのです。