来来亭を率いる株式会社来来亭は、滋賀県野洲市に本社を構え、全国に240店舗以上のネットワークを展開するメガチェーンです。この巨大グループをゼロから築き上げたのが、創業者であり代表取締役社長の豆田敏典(まめだ としのり)氏です。
豆田氏の歩んだ道筋は決して順風満帆なエリートコースではありませんでした。若き日に立ち上げた事業の失敗や多額の借金、さらには最初に手がけたラーメン店の挫折など、数多くの苦難を経験しています。かつて京都で経営破綻に瀕していた小さなラーメン店を引き継ぎ、自らの舌と現場での対話を頼りにスープを改良し、現在の背脂醤油味を完成させたところから来来亭の快進撃が始まりました。
テレビ特番や各種ビジネス誌のインタビューにおいて、豆田氏は一貫して「社員の夢を叶える舞台を作ること」を経営の核心として語っています。その思想が具現化したものが、外食業界でも類を見ないほど手厚い「のれん分け独立制度」です。厳しい研修と店舗運営を通じて実績を上げた社員に対して、店長からオーナーへとステップアップする道を開き、店舗の権利やノウハウを惜しみなく譲渡します。独立したオーナーが複数店舗を束ねるメガフランチャイズへと成長できる仕組みを整えたことで、現場スタッフのモチベーションと接客レベルを極めて高い状態で維持することに成功しました。