西宮神社(兵庫県西宮市)、今宮戎神社(大阪市浪速区)とともに「日本三大えびす」の一翼を担う京都ゑびす神社だが、その創祀の背景には他の2社とは大きく異なる仏教寺院との共生関係がある。
時は鎌倉時代の初頭、建仁2年(1202年)。日本に臨済宗を伝えた開祖・栄西(えいさい)禅師が、宋(中国)からの帰途に東シナ海で猛烈な暴風雨に遭遇した。船が沈没寸前の危機に陥った際、海上に現れたえびす神に祈りを捧げたことで奇跡的に難を逃れたという。栄西は帰朝後、京都に建仁寺を建立するにあたり、その鎮守社として境内にえびす神を祀った。これが京都ゑびす神社の起源である。
三社三様の発展を遂げた「日本三大えびす」の特徴を客観的データで比較すると、それぞれの役割と魅力の違いが鮮明に浮かび上がる。
西宮や今宮戎が圧倒的な動員数と広大さで迫るのに対し、京都ゑびす神社は祇園の街並みに溶け込むコンパクトな境内でありながら、京都ならではの雅な神事と親密な信仰文化を色濃く残している点に最大の独自性がある。