住吉大社が放つ圧倒的な求心力の根源は、祀られている祭神の特異な成り立ちと、それによってもたらされる住吉大社のご利益の幅広さにあります。本殿に鎮座するのは、イザナギノミコトの禊祓(みそぎはらえ)から誕生した底筒男命(そこつつのをのみこと)、中筒男命(なかつつのをのみこと)、表筒男命(うわつつのをのみこと)の「住吉三神」、そして摂社に祀られる息長帯姫命(神功皇后)です。
神話において黄泉の国の穢れを海で洗い清めた際に生まれた神々であるため、第一の神徳は徹底した「祓(はらえ)」、すなわち悪運や厄難の強力な浄化にあります。これに航海安全、交易発展、さらには産業振興や和歌・文学の守護といった実利的な側面が重層的に結びつき、古代の朝廷から中世の商人、現代のビジネスパーソンに至るまで、階層を問わず絶大な信頼を勝ち得てきました。
インターネット上では、参拝後に人生の転機を迎えたとする住吉大社にまつわる不思議な体験談が後を絶ちません。「参拝した直後に長年停滞していた商談が急展開した」「境内に足を踏み入れた途端、説明のつかない静寂と鳥肌のような感覚に包まれた」といった報告がSNSや個人ブログに数多く蓄積されています。宗教学および環境心理学の観点から分析すると、これらは広大なクスノキの巨木群が形成する自然の音響遮断効果と、直線的かつ重厚な檜皮葺きの本殿建築が引き起こす「非日常空間への没入感」が、参拝者の精神を深いトランス状態に導き、直感や決断力を研ぎ澄ませた結果とも説明できます。