インターネット上では時折、「省庁の組織図で沖縄が外されているのは冷遇や仲間外れではないか」といった極端な憶測が散見されます。しかし、行政実務の観点から見れば、これは完全な誤解です。
九州沖縄地方と九州地方の違いを理解する上で重要なのは、沖縄県に対する「特命配慮」の枠組みです。前述の内閣府沖縄総合事務局のように、通常は各省庁(財務省・農林水産省・経済産業省・国土交通省など)に分散している権限を一つに集約した機関が設置されているのは、日本全国で沖縄県だけです。
これは、遠隔の島嶼県であるハンディキャップを補い、迅速な予算執行と地域振興を可能にするための「極めて手厚い行政特例」です。九州地方整備局の管轄外となっているのは排斥された結果ではなく、むしろ内閣府主導で優先的な開発を進めるための制度設計に由来します。表面的な「別枠扱い」の裏には、戦後史の教訓と島嶼地域振興への高度な政策的意図が存在しています。