有馬温泉を訪れる旅行者の多くが直面する最初の疑問が、「金の湯と銀の湯は何が違うのか」という点です。どちらも神戸市営の公衆浴場(外湯)ですが、そのキャラクターは対極に位置しています。
「金の湯」に注がれる金泉は、地下約60キロメートルの深部マントル付近から湧出する含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉です。湧出時は無色透明ですが、空気に触れると鉄分が酸化して独特の赤褐色に変化します。海水よりも高い塩分濃度を誇り、肌に塩の被膜を作って強烈な保温・殺菌効果を発揮する反面、肌の弱い人には刺激が強く、長湯をすると湯あたりを起こしやすい特性があります。
一方の「銀の湯」が引いている銀泉は、炭酸泉源から引かれた二酸化炭素泉と、ラジウムを微量に含む放射能泉源を絶妙にブレンドした無色透明の湯です。炭酸ガスによる末梢血管の拡張作用で血流を促進しながら、微量の放射線が身体の細胞を刺激して自然治癒力を高める「ホルミシス効果」をもたらします。さらに、アルカリ寄りの滑らかな肌触りがあり、入浴後には肌の古い角質を落としてスベスベに整える美肌作用を持っています。