メインストリートの賑わいからわずか一筋横へ折れるだけで、そこには時間の流れが止まったかのような静寂が広がっている。観光ガイドには滅多に掲載されない「観音町」や「卯辰山麓寺院群」へ続く細い小路こそ、茶屋街の真の魅力が隠されている場所だ。
表通りの華やかさの裏側に回ると、地元住民の暮らしと歴史が溶け合った路地裏の生活空間が現れる。古い町家をそのまま活かした隠れ家的な私設ギャラリーや、看板を出さずにひっそりと営業する煎茶処など、一歩足を踏み入れるたびに新しい発見が待っている。路地の入り隅に祀られた小さな地蔵尊や、苔むした石段の風情は、散策者の好奇心を静かに刺激してやまない。