瀬戸内を代表するラグジュアリーリゾートホテルとして名を馳せたベラビスタ スパ&マリーナ 尾道。多くのファンに惜しまれながら営業休止に至った最大の理由は、「建物の構造的寿命(築50年超)への対応」と「国際基準ラグジュアリーへの抜本的刷新」という2つの側面にあります。
同館のルーツは1973年、地元の大手造船企業である常石造船(現・ツネイシホールディングス)が、国内外の船主やVIP客をもてなす迎賓館「ベラビスタ境ガ浜」として開設したことに始まります。その後、2007年に大規模改修を行い一般向けリゾートホテルとして華々しくリブランディングされました。しかし、建屋の骨格そのものは半世紀前の構造を引き継いでいたため、最新の耐震基準や環境性能、配管設備の根本的な更新が急務となっていました。
運営会社である株式会社せとうちクルーズおよび親会社のツネイシ ランド&シー株式会社の公式発表資料によると、部分的なリノベーションでは現代のハイエンド顧客が求める広大なスイートルーム設計や高度なウェルネス空間の確保に限界があると判断。建屋を一度完全に解体し、ゼロから理想のリゾートを再構築する全面建て替えを決断したというのが営業休止の真相です。