山口市の空模様が目まぐるしく変わる背景には、特有の地形構造があります。下関地方気象台をはじめとする山口県山口市気象庁公式データを分析すると、山口市中心部は標高の高い山々に囲まれた「山口盆地」に位置していることが分かります。北側には中国山地が連なり、東には鳳翩山(ほうべんざん)、南西側にも丘陵地が広がるすり鉢状の地形が、特有のマイクロクライメイト(局地気候)を生み出しています。
山口県山口市天気急変の理由として専門家が第一に挙げるのが、二つの海から流れ込む湿った空気の衝突です。山口県は北を日本海(響灘)、南を瀬戸内海に挟まれています。南からの暖かく湿った気流が山肌を這い上がる際、上空の寒気とぶつかって局地的な積乱雲が急速に発達します。これが、沿岸部では降っていないにもかかわらず、山口市街地周辺だけで突発的な降雨がもたらされる物理的な構造です。
さらに盆地特有の強い放射冷却が、気温の乱高下に拍車をかけます。風が穏やかでよく晴れた夜間、地表の熱が上空へ急速に奪われるため、日の出前の気温は周囲の沿岸都市(防府市や宇部市など)に比べて3℃から5℃近く低く沈み込みます。この激しい冷え込みと日中の日射熱のコントラストこそが、多くの来訪者が体感する「急激な寒暖差」の根本原因です。