電線とケーブルの違いとは?Jis規格と構造の差・安全基準を徹底解説

電線とケーブルの違いとは?Jis規格と構造の差・安全基準を徹底解説

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ネット上のQ&Aサイトや動画で流布している情報の中には、電気工学的に極めて危険な誤解が放置されているケースが目立ちます。その最たるものが「被覆がついているケーブルなら、屋外でもそのまま使える」という思い込みです。

住宅配線で最も普及している灰色の外装を持つ「VVFケーブル(600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形)」は、基本的に屋内配線専用として設計されています。外装のポリ塩化ビニルは紫外線(UV)に対する耐性が低く、直射日光に晒される環境に露出施工すると、早ければ3〜5年程度でシースが著しく硬化します。やがて亀裂が入り、そこから雨水が侵入することで漏電ブレーカーのトリップ(遮断)や漏電事故を誘発するのです。

屋外へ電気を配線する場合には、紫外線遮断剤(カーボンブラック等)を含有した耐候性ケーブル(屋外配線用ビニル絶縁電線OWやCVケーブルの屋外仕様)を選定するか、耐候性のある硬質塩化ビニル管(VE管)や金属管(フレキシブル配管)に収容して直接の日射を遮らなければなりません。

もう一つの重大な盲点が「許容電流と電圧降下の無視」です。多くの人が「ブレーカーの容量が20Aだから、20Aまで使って大丈夫」と安易に考えていますが、電線には導体の太さ(直径1.6mm、2.0mm、2.6mm、あるいは断面積sq:スケア)ごとに安全に流せる限界値である許容電流が存在します。例えば、一般的な内線規程における平形VVFケーブル(2心)の許容電流は以下の通りです。

  • 導体径1.6mm:許容電流 27A(周囲温度30℃以下)
  • 導体径2.0mm:許容電流 35A(周囲温度30℃以下)
  • 導体径2.6mm:許容電流 48A(周囲温度30℃以下)

数値だけ見ると余裕があるように思えますが、電線を束ねて配管に通す「電線管収容」を行うと、熱がこもるため「電流減少係数(3本以下なら0.70)」を掛け算しなければなりません。さらに、配線距離が20〜30メートルを超えて長くなると、導体の内部抵抗によって電圧が低下する「電圧降下」が発生し、エアコンのコンプレッサーが起動しない、あるいは機器の誤作動を招く原因となります。単に「繋がれば動く」という短絡的な認識こそが、設備事故の引き金となっているのです。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。