ネット上には「古い自走式草刈機なら5万円前後の激安品でも十分使える」といった言説が散見されます。しかし、この主張には現場を知らない致命的な誤解が含まれています。
部品供給終了(製廃)の壁
農業機械の法定耐用年数は通常7年ですが、実用上のハンマーナイフモアの耐用年数は適切なメンテナンスを行えば10年〜15年以上に達します。しかし、製造から20年近く経過した旧型モデル(例えば1990年代〜2000年代初頭の初期型機)は、メーカー側で純正部品の供給が打ち切られている(製廃)ケースが多発しています。
特に特注規格のVベルト、ワイヤー類、専用ベアリングハウジング、点火コイルなどが破損した場合、汎用品での代用が効かず、わずか数千円のパーツ1つのために機械全体を廃車にせざるを得ない事態に陥ります。
重量バランスと操作性|ロータリーモアとの混同
「草を刈る機械」として同じ自走式草刈機であるロータリーモア(平刃が水平回転するタイプ)とハンマーナイフモアを混同している購入者も少なくありません。ハンマーナイフモアは分厚い鉄板と多数のフリー刃ドラムを前方に抱えるため、機体重量が120kg〜250kg以上に達します。激安だからと傾斜地の多い果樹園用に購入したものの、重すぎて旋回できず、法面で横転の危機に直面したという事例が後を絶ちません。