2024年に放送された大河ドラマ『光る君へ』は、吉高由里子さんのキャリアにおいて最大の金字塔となりました。平安時代の天才作家・紫式部という難役を背負い、クランクインから最終盤に至るまで1年半以上に及ぶ過酷な撮影スケジュールを完走しました。
NHK大河ドラマの主演を務める俳優には、暗黙の了解として「放送期間中の私生活での重大発表(結婚や離婚)は極力控える」という業界慣習が存在します。作品の世界観や視聴者への配慮、膨大なスポンサーや関連団体への影響を最小限に抑えるためです。吉高さん自身もこの大役に全神経を集中させており、恋愛や結婚を最優先にする余裕は物理的にも精神的にも存在しなかったと見られます。
過去のロングインタビューにおいて、吉高さんは自身の人生観についてこう告白していました。
「20代の頃は、なんとなく30歳くらいで結婚して子どもを産んでいるんだろうなとぼんやり想像していました。でも実際に30歳を過ぎてみると、仕事の面白さも責任も増えて、年齢という数字に縛られて生きる必要は全くないんだと気づいたんです」
家族社会学の視点からこの発言を読み解くと、昭和や平成初期に見られた「適齢期規範(一定の年齢に達したら結婚すべきという同調圧力)」からの完全な脱却が伺えます。自らの生活基盤とアイデンティティを確立した現代女性が、他者の視線ではなく「自分のタイミング」でパートナーシップを選択する、極めて成熟した自立モデルと言えます。