『名探偵コナン』シリーズにおける最大の謎解きの一つであり、ファンの間でも語り草となっているのが「工藤新一と怪盗キッド(黒羽快斗)の声が同じである理由」です。アニメ作品において主要キャラクター同士を同一声優が兼任する場合、制作上の都合によるケースも見られますが、本作においては原作者である青山剛昌の明確なプロットと意図が反映されています。
怪盗キッドはもともと青山剛昌の連載デビュー作『まじっく快斗』の主人公であり、工藤新一と「顔が瓜二つ」という公式設定が存在します。作中でもキッドが新一に変装する際、マスクを使わずに髪型を整えるだけで完璧になりすます描写が定番です。
劇場版第27作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』などで明かされた衝撃的な血縁関係の真実(新一の父・優作と、快斗の父・盗一が双子の兄弟であるという事実)からも裏付けられる通り、2人の声が同一であることは最初から綿密に計算された伏線でした。
アフレコ現場のインタビューにおいて山口勝平は、「新一は芯が通ったストレートな高校生探偵のトーン、キッドは少し芝居がかった軽やかさとキザなニュアンスを意識して演じ分けている」と語っています。同一人物の声帯を使いながらも、キャラクターの生き様の違いを微細なニュアンスで表現し分ける職人技が光ります。