2000年代半ば、日本の映画界は純愛ブームの渦中にあった。そのなかでも『ただ、君を愛してる』は、市川拓司の小説を原作に、若者の孤独と情熱を巧みに描いた傑作として語り継がれている。玉木宏演じるカメラ好きの大学生・瀬川誠人と、加藤ローサ演じる同級生・富山みゆき。二人がスクリーン上で見せたみずみずしい掛け合いは、観客の心に強く刻まれた。
当時の加藤ローサは、ゼクシィのCMなどで見せた圧倒的な透明感と弾ける笑顔で一躍トップタレントへと登り詰めていた時期だ。一方の玉木宏も、『ウォーターボーイズ』や『のだめカンタービレ』といった話題作で確固たる人気を確立。二人が同じフレームに収まった瞬間の華やかさとどこか儚い空気感は、映画の成功を決定づける決定的な要素だった。