電通総研などの大規模な意識調査や各種社会調査のデータによると、日本国内におけるLGBTQ+層の割合はおよそ8〜10%前後と推計されています。そのなかでも、バイセクシャルを自認する人の割合はゲイやレズビアンと同等、あるいはそれ以上に多い層として観測されています。特に10代〜20代の若年層では、固定観念にとらわれない柔軟な指向を自覚する層が目立ちます。
人口比率としては決して珍しくないバイセクシャルですが、コミュニティ内での孤立を感じやすいという両性愛者ならではの特徴があります。異性と交際していれば「結局はストレート(異性愛者)だったのか」とみなされ、同性と交際していれば「同性愛者になったのか」と受け取られてしまう現象です。
このように、バイセクシャルとしてのアイデンティティそのものが不可視化されてしまう現象を、社会学では「バイ・イレイジャー(Bisexual Erasure:両性愛の消去)」と呼びます。同性愛コミュニティと異性愛社会の双方から「中途半端」「どちらかに決めるべきだ」という無理解に晒されやすい構造が、当事者の悩みを深める一因となっています。