「吉野川市鴨島町でカラオケに行こうと調べたら情報が錯綜している」という相談が後を絶ちません。結論から申し上げますと、国道192号線沿いで営業を続けていたカラオケBanBan鴨島店はすでに営業を終了しています。現在、現地店舗の電話番号へ発信しても繋がらない状態となっており、ウェブ上の予約受付も停止されています。
突如として訪れた営業終了の背景には、複数の構造的要因が絡み合っています。関係者への取材や業界の公表資料から浮かび上がる決定的な理由は以下の3点です。
第一に、郊外ロードサイド店舗における収益モデルの限界です。BanBanを運営する株式会社松竹倶楽部(株式会社創裕グループなど事業変遷を含む)は、全国規模で不採算店舗のスクラップ&ビルドを進めてきました。鴨島店はワンコイン前後で楽しめるフリータイムや持ち込み自由という手厚いサービスを提供していた反面、客単価が極めて低く、客数減がダイレクトに利益を圧迫する体質となっていました。
第二に、機器維持費と電気料金の劇的な高騰が挙げられます。近年の通信カラオケはハイレゾ音源や高精細モニターの導入が進み、通信費・楽曲ライセンス費および機器のリース代が年々上昇しています。さらに、2022年以降のエネルギー価格急騰によって大空間を維持する空調コストが跳ね上がり、地方店舗の利益率を急速に削り取りました。
第三に、吉野川市内の人口動態と若年層の流出です。徳島県吉野川市は少子高齢化が急速に進行しており、平日のメイン顧客であった中高生や大学生の母数そのものが減少傾向にありました。週末の稼働だけでは平日の固定費を賄いきれなくなったことが、撤退への最終的な引き金となったことは客観的データからも明白です。