「せっかく天神崎へ行ったのに水鏡が見られなかった」という失敗談の多くは、気象と潮汐データの見落としに起因しています。奇跡的なリフレクション写真の撮影に成功するためには、直感ではなく客観的な数値指標に基づいた行動計画が欠かせません。
最重要となるのは、海上保安庁や気象庁が発表する田辺港の潮見表(タイドグラフ)です。潮位が高すぎれば岩場全体が波に洗われて白波が立ち、被写体となる人物も立つことができません。反対に、大潮の干潮ピークなどで潮が引きすぎると、岩盤の海水は完全に排水されて乾いた茶色い岩肌が剥き出しになります。水鏡が最も美しく張り詰める潮位のゴールデンゾーンは、「潮位およそ140cm〜150cm前後」の過渡期です。
さらに見落とされがちな要素が「風速」です。水面が鏡になるためには、波紋を立てない静穏な大気が不可欠となります。現地の天候予報で「風速2m/s以下」であることが絶対条件であり、風速が3m/sを超えると水面が波立ち、反射像は一瞬で歪んで消失します。