インターネット上で「タカマル鮮魚店 閉店 理由」という検索キーワードが目立つ理由は、数年前に同店を訪れた人が現在の店舗網を見て「店が減っている」と誤認したことに端を発しています。
かつて同店は、西新宿7丁目のごく狭いエリアに「本館」「2号館」「3号館」「4号館」と集中的に複数店舗を展開していました。ピーク時には数百メートル歩くだけで別のタカマル鮮魚店に行き当たるほどの過密出店を行い、満席時の客の誘導や宴会ニーズの分散を図っていたのです。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外食需要の激変や、ビル側の建て替え・賃貸借契約の満了、さらには人手不足への適応を契機に、経営陣は「選択と集中」による店舗網のスクラップ&ビルドを断行しました。
具体的には、分散していたオペレーションを主軸の「本館」に集約。2号館などのサテライト店舗を順次クローズし、物流と調理人員を一箇所に集中させることで、鮮度の維持とコスト管理を一段と強化しました。つまり、「経営破綻による閉店」ではなく、劇的な環境変化を生き残り、現在も高収益を維持するための戦略的撤退・事業再編であったというのが真実です。
現在、新宿エリアで足を運ぶべき主戦場は間違いなく「タカマル鮮魚店 本館」です。かつての分散型営業から集約型営業へ舵を切ったことで、仕入れの密度はむしろ増しており、現場の熱気は往年を凌ぐ勢いを見せています。