作品の中では永遠に愉快な日常が続いているかのように思えるふたりですが、現実の生活では切ない別れが訪れました。夫の川野純夫さんは、2002年4月に77歳で逝去しました。死因は心不全でした。
晩年は病気がちだった夫を、田辺さんは仕事をセーブしながら献身的に看病し、自宅で看取りました。最愛の伴侶を失った喪失感は計り知れないものでしたが、田辺さんはその悲しみと向き合い、夫との最期の日々を綴った著作やエッセイを残しています。
「おっちゃんがいてくれたから、私は私の書きたいものを自由に書くことができた」という感謝の想いは、作品を通じて読者の胸を打ちました。ただ面白いだけではない、人生の苦楽を共に分かち合った深い絆の結末がそこにあります。