「気温はそこまで高くないのに、顔だけ異様に汗をかく」という場合、単純な温熱性発汗ではなく、精神的要因や体内バランスの変調が潜んでいます。
プレゼンや初対面の場面で起きる緊張性発汗の抑え方としては、交感神経の急激な高ぶりを鎮める呼吸法が欠かせません。動揺して呼吸が浅くなると交感神経が優位になり、アセチルコリンという神経伝達物質が汗腺を強く刺激します。鼻から4秒かけて深く吸い、8秒かけて細く長く吐き出す腹式呼吸を2〜3回繰り返すだけでも、副交感神経へスイッチが切り替わり、発汗の勢いを鈍らせることができます。
一方、40代以降に急増するホットフラッシュやのぼせに伴う顔汗には、女性ホルモンの減少による自律神経の乱れが深く関わっています。こうした揺らぎ世代の体質改善には、更年期の顔汗漢方薬として定評のある「加味逍遙散(かみしょうようさん)」や、イライラ・動悸を伴う発汗に適した「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」、体力が低下して寝汗や顔汗が止まらない場合の「知柏地黄丸(ちばくじおうがん)」などが選択肢に入ります。体質(証)に合わせた漢方を取り入れることで、内側から熱の偏りを整えていきます。