小説『海がきこえる』アニメ版との衝撃の違いとは?結末の真相を徹底解説

小説『海がきこえる』アニメ版との衝撃の違いとは?結末の真相を徹底解説

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小説『海がきこえる』は、徳間書店のアニメージュ文庫本および後の復刊新装版において、第1部と続編『海がきこえるII アイがあるから』の全2巻構成となっています。

第1部の結末では、高知での高校生活に別れを告げ、東京の成城大学へ進学した杜崎拓が高知の同窓会に出席します。そこで親友・松野豊から、里伽子が東京の大学へ進学したこと、そして「お風呂で寝る人に会いたい」と周囲に漏らしていた真実を聞かされます。アニメ版はこの吉祥寺駅ホームでの劇的な再会で幕を閉じますが、原作小説の真のドラマはそこから始まります。

続編『海がきこえるII アイがあるから』では、1990年代半ばの東京を舞台に、大学生活を送る拓と里伽子の本格的な関係が描かれます。里伽子の父親が破産・失踪するという過酷な現実が襲いかかり、住む場所を失った里伽子は一時的に拓のアパートへ転がり込み、奇妙な同居生活がスタートします。

さらに、拓のバイト先で出会う年上の美人編集者・津村知沙の存在や、松野との変わらぬ友情、そして互いにプライドを捨てきれない里伽子と拓の衝突。高校時代の淡いノスタルジーは完全に解体され、経済的・精神的な自立を迫られる青年たちの「現実の痛み」と「愛の引き受け方」がリアルに描かれます。最終的に2人は、お互いを都合の良い逃げ場所にするのではなく、自立した個人として対等に向き合う決意を固めていきます。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。