そもそもメン地下とは、「メンズ地下アイドル」の略称であり、地上波テレビなどのマスメディアを主戦場とせず、新宿、大久保、池袋、渋谷などのライブハウスを中心に活動する男性ダンスボーカルグループやソロアイドルの総称です。秋葉原を中心とした女性地下アイドルの文化が2010年代に確立されたのに対し、メンズ地下アイドルは2010年代半ばから急速に台頭し、独自のカルチャーを築き上げてきました。
現在では、SNSの総フォロワー数が数十万人規模に達し、Zepp規模の大型会場を埋めるトップグループから、雑居ビルの地下で数人の観客を相手に歌い踊るインディーズ勢まで、都内だけでも数百グループ・数千人規模がひしめき合っています。ネット上のメン地下人気ランキングなどで上位を争うグループは、メジャー顔負けのハイレベルなダンスパフォーマンスや洗練されたビジュアルを誇り、若年女性層から熱狂的な支持を集めています。
しかし、既存のメジャー男性アイドル(旧ジャニーズ勢やK-POPなど)との決定的な違いは、その「物理的・心理的距離の近さ」にあります。客席とステージの距離が数十センチという至近距離でのライブはもちろんのこと、ライブ終了後に必ず開催される「特典会」において、メンバーと直接言葉を交わし、手を取り合える体験こそが、この業界を急拡大させた最大の推進力なのです。