本作の歴史において最大のトピックの一つとなったのが、2022年9月に配信リリースされた『愛しさと せつなさと 心強さと 2023』の誕生です。カプコンの最新対戦格闘ゲーム『ストリートファイター6』の日本イメージソングとして、小室哲哉自身がリアレンジを手掛け、篠原涼子がボーカルを完全新録しました。
オリジナル版の熱狂を保ちつつ、ベースラインには現代的なシンセベースと洗練されたEDMの手法が導入され、篠原涼子の円熟味を増したボーカルが見事に融合しました。同年末の『第73回NHK紅白歌合戦』では、実に28年ぶりとなる紅白のステージで同曲を歌唱。小室哲哉がサプライズでピアノ伴奏に登場した瞬間、世帯視聴率は跳ね上がり、Twitter(現X)のトレンド1位を独占しました。
かつてゲームセンターで熱狂したオールドファンだけでなく、『ストリートファイター6』からeスポーツや格闘ゲームに触れたZ世代のプレイヤー層にも楽曲が浸透。デジタルネイティブ世代にとって「懐メロ」ではなく「最先端のゲームアンセム」として再定義されたことは、J-POPのIP活用事例として極めて象徴的な成功例です。