サイドガラスと異なり、リアガラスは立体的な3次曲面を描いています。平らなフィルムをそのまま内側から貼ろうとすると、上下左右に「指のようなシワ(フィンガー)」が無数に立ち上がり、密着させることができません。これを解決する唯一の手法が、ガラス外側で行う熱整形(ヒートシュリンク)です。
フィルムは製造工程上、巻き方向(縦方向)にしか熱収縮しない特性を持っています。フィルムの「縦目」をガラスの上下方向に合わせて外側に仮置きし、ヒートガンで熱を加えます。
ヒートガンの吹き出し口はガラスから15〜20cmほど離し、温度250℃〜300℃の温風を円を描くように動かしながら当てます。フィルムが熱で波打った瞬間、耐熱グローブを装着した手や専用ハードヘラで上から下へと撫で下ろすことで、ガラスの曲面にジャストフィットする形状へと変形させます。一箇所に熱を集中させすぎるとフィルムが溶けたりガラスが熱割れを起こすため、常にヒートガンを動かし続ける動線管理が不可欠です。