洛中洛外とはどこまで?御土居の歴史と現代京都人の境界意識を解明

洛中洛外とはどこまで?御土居の歴史と現代京都人の境界意識を解明

洛中洛外とはどこまで?御土居の歴史と現代京都人の境界意識を解明について分かりやすく解説いたします。専門家の見解をご確認ください。

御土居の多くは近代の都市開発に伴って削り取られ、現在は北野天満宮境内や紫野西藤ノ森町などに史跡として点在するのみです。では、現代の洛中基準は行政区や住所の上でどのように捉えられているのでしょうか。京都市の行政区分(11区)と照らし合わせると、一般的な見解と古くからの住民意識との間に興味深いズレが見えてきます。

区分・エリア該当する主な住所・範囲一般的な世間の認識生粋の京都人・専門家の見解狭義の洛中(コア層)上京区・中京区・下京区の一部(概ね東洞院・烏丸通周辺)京都の中心部・繁華街・ビジネス街「田の字地区(御池通・四条通・烏丸通・河原町通)」を含む真の洛中。祇園祭の山鉾町を内包する最高ステータス。広義の洛中(行政基準)上京区・中京区・下京区の全域、北区・東山区・左京区の一部「上中下」の3区に住んでいれば洛中と認識秀吉の御土居ラインに近い。ただし鴨川を渡った東山側やJR以南は「外」とみなされることが多い。平安京基準の洛中北は一条通、南は九条通、東は東京極大路(寺町通)、西は西京極大路歴史の教科書に登場する794年の条坊制エリア平安京の右京(西側)は湿地化で早期に衰退したため、中世以降の生活感覚としては「洛中」と呼べない地域も含む。現代通りの基準北は丸太町通(または北大路通)、南は十条通(または九条通)、東は鴨川、西は西大路通不動産業界やタクシー運転手などの実務的感覚最も使い勝手の良い現代の実用線。「丸太町通と九条通の境界」を引くケースが会話上は極めて多い。

特に地元で頻繁に語られるのが「上京区・中京区・下京区の区分」です。現代の不動産取引や行政文書ではこの3区が「都心3区」として洛中の代表格とされますが、地元古参の住民に取材すると、さらに踏み込んだ証言が得られます。「下京区でも京都駅(八条口側)より南は洛南やし、上京区でも鞍馬口を越えたら洛北。中京区でも西ノ京まで行くと昔は畑やった」という具合に、京都の洛中エリア住所は、公的な区割り以上に「通り(ストリート)」でミリ単位に選別されているのです。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。