「すでに腰が曲がってしまった親の姿勢は治るのか」「高齢女性の姿勢を治す方法はあるのか」という切実な相談も後を絶ちません。臨床現場における現実的な治療指針は以下の通りです。
1. 骨折による骨変形そのものの整復
完全に潰れて固まってしまった椎骨を、体操やマッサージだけで元の四角い形に戻すことは不可能です。しかし、急性期の圧迫骨折であれば、背中から細い針を入れて医療用セメントを注入し、潰れた骨を持ち上げて固定するBKP(経皮的バルーン椎体形成術)などの低侵襲手術が保険適用で実施されています。
2. 筋膜・筋肉性要因による円背の改善
骨自体の変形だけでなく、背筋の筋力低下や大胸筋・股関節前面(腸腰筋)の拘縮によって「姿勢として曲がっている」ケースでは、適切な腰曲がり高齢者向けリハビリによって劇的な改善が見込めます。
- 壁ピタ立ちテストと姿勢リセット:後頭部、肩甲骨、お尻、かかとを壁につけて30秒キープし、抗重力筋を刺激する。
- 胸郭拡大ストレッチ:丸まった背中を開くため、バスタオルを丸めて肩甲骨の下に置き、仰向けで胸を広げる運動。
- 骨盤前傾・後傾コントロール体操:椅子に座った状態で骨盤を前後にゆっくり倒し、脊柱起立筋とインナーマッスルを活性化させる。
3. 進化した薬物療法
近年の骨粗しょう症治療薬は、従来の「骨が減るのを抑える薬(骨吸収阻害薬)」に加え、「骨を新しく造り出す薬(骨形成促進薬)」の選択肢が充実しています。骨密度を積極的に引き上げることで、さらなる変形や新たな圧迫骨折の連鎖を食い止めることが可能です。