ボカロを語る上で欠かせないのが、周辺のネットスラングや派生カルチャーとの関係性です。複雑に絡み合う主要用語の違いを整理します。
まず、ボカロを使って楽曲を制作・投稿する作曲家・プロデューサーは「ボカロP(ボカロピー)」と呼ばれます。「P」はアイドルマスター文化等に由来するプロデューサーの略称です。米津玄師(ハチ)、Ayase(YOASOBI)、須田景凪(バルーン)、キタニタツヤなど、現在のJ-POP最前線で活躍するトップアーティストの多くがボカロP出身であることは広く知られています。
一方、ボカロPが投稿した楽曲を自らの生声でカバーして歌う人物を「歌い手(うたいて)」と呼びます。AdoやEve、まふまふ、Souなどは歌い手としての活動からキャリアを築き、今やスタジアム級のアーティストへと飛躍しました。「ボカロPが曲を作り、歌い手がカバーして拡散し、イラストレーターや動画師がビジュアルを彩る」という循環こそが、ボカロエコシステムの根幹です。
さらに、2020年にリリースされたスマホ向けリズムゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク(プロセカ)』は、Z世代やα世代を中心とする10代〜20代の若年層へボカロ曲を浸透させる決定的な役割を果たしました。VTuber(バーチャルYouTuber)の「歌ってみた」配信文化とも密接に結びつき、ボカロは世代とプラットフォームを超えた共通言語となっています。