本作の不穏で情熱的な世界観を完璧に彩ったのが、松任谷由実による主題歌『真夏の夜の夢』です。エキゾチックなラテンのリズムと妖しく危険な歌詞はドラマのオープニング映像と完璧にシンクロし、ミリオンセラーを記録。ドラマの劇伴としても効果的に使用され、麻利夫が現れる瞬間の緊張感を極限まで高めました。
また、物語の舞台となったロケ地の選定も見事でした。郊外の閑静な高級住宅街に佇むマンションは、一見すると誰もが憧れる理想の住まいでありながら、一歩中に入れば隣人の監視から逃れられない「閉ざされた密室」として機能していました。美しい街並みと室内の陰鬱な空気感のコントラストが、ドラマ全体の不気味さを際立たせる視覚的フックとなっていたのです。