低血糖といえば、インスリン注射や血糖降下薬を使っている糖尿病患者の副作用というイメージが根強くあります。しかし実態として、糖尿病治療を受けていない健康な人でも低血糖は頻発しています。その代表格が、食生活の乱れによって引き起こされる「機能性低血糖症」です。
空腹時に菓子パンや甘い炭酸飲料、白米などを一気にドカ食いすると、血液中のブドウ糖が急増して血糖値が跳ね上がる「血糖値スパイク」が起きます。これに驚いた膵臓がインスリンを過剰に分泌してしまい、食後2〜3時間ほど経ったタイミングで急降下を招き、重い倦怠感や眠気、手の震えに襲われるのです。現代人の不規則な食事が生む現代病とも呼べる現象です。
さらに、生活習慣だけでなく内臓の疾患が隠れているケースも見逃せません。以下のような要因が複雑に絡み合っている場合があります。
・肝臓や腎臓の機能障害:糖を蓄えたり新しく作り出す力が落ち、血糖を維持できなくなる。
・インスリノーマ(膵臓の腫瘍):インスリンを自律的に作り続ける良性・悪性の腫瘍によって、常に血糖が消費される。
・激しい空腹時の過度な飲酒:アルコールを肝臓で分解する処理が優先され、肝臓からのブドウ糖放出がストップする。
・極端な糖質制限ダイエット:必要なエネルギー源そのものが枯渇し、慢性的な低血糖状態に陥る。