一口に三味線と言っても、ジャンルによって求められる気質や運動性は驚くほど異なる。自身の性格や好みに合わない流派を選んでしまうと、適性があるにもかかわらずモチベーションを失いかねない。
力強い叩き弾きと即興演奏が醍醐味の「津軽三味線」は、感情をダイレクトに音に乗せたい情熱的な人や、ジャムセッションのような自由度を好む人に向いている。太い棹(太棹)を使い、重厚な撥で叩きつけるアタック感は、ロックやブルースに惹かれる現代人の感性と非常に親和性が高い。
一方で、歌舞伎音楽として発展した「長唄」に代表される細棹・中棹三味線は、緻密なアンサンブルや繊細な音色のグラデーションを味わいたい人に向いている。決まった譜割りや所作の美しさを丁寧に磨き上げ、歌い手と呼吸を合わせる奥深さがあり、クラシック音楽や茶道のような秩序ある美を好む探求肌の人に最適だ。