『天気の子』が公開された際、最も激しい議論を巻き起こしたのがその結末でした。天気の子 結末ラストの考察において外せないのは、主人公の帆高が下した常識外れの決断です。彼は、東京の水没という「社会全体の利益」のために人柱となった陽菜を救い出し、「天気なんて、狂ったままでいいんだ!」と言い放ちました。
従来の物語であれば、主人公が自己犠牲を払って世界を救う、あるいは愛する人と世界の両方を救う奇跡が描かれるのが王道でした。しかし、新海誠監督が描いたのは、多数派の平穏を犠牲にしてでも、目の前にいるたった一人の少女の手を握りしめるという、徹底的に個人的な倫理の選択でした。
この過激とも言えるラストシーンの余韻に寄り添うのが、「愛にできることはまだあるかい」の愛にできることはまだあるかい フル歌詞です。狂ってしまった世界の中で、誰が正しく誰が間違っているのかを裁くのではなく、自らの選んだ道を引き受けて生きていく。「僕にできることはまだあるかい」という結びの言葉は、社会的責任から逃避した独善ではなく、愛を選んだ人間が背負う生涯の覚悟そのものとして観客の胸に響き渡るのです。