「理由が養生訓だとしても、やってしまった以上は胸のざわつきが消えない」という方もいるはずです。人の心理において、一度植え付けられた不吉な連想を理屈だけで払拭するのは容易ではありません。そこで、神道や伝統的な民間信仰に則った土公神の怒りを鎮める方法と心のセルフケア手順を具体的に紹介します。
もっとも手軽で効果的な対処法が、清酒と粗塩(天然塩)を使った土いじりのお祓いです。まず、作業してしまった地面やプランターに向かい、「無知から土を乱してしまい申し訳ありませんでした」「いつも大地のお恵みをありがとうございます」と心の中で一礼します。次に、天然の粗塩を少量、ひとつまみ手にとって土の上にパラパラと撒き、その上から日本酒(純米酒が望ましい)を数滴から少量注ぎます。塩には穢れを祓い場を清める作用があり、酒は神様への最上級の供物として機能するため、これだけで伝統作法としての「お詫びと感謝の儀礼」は完全に完了します。
次に確認したいのが、作業した日がたまたま「間日(まび)」に当たっていなかったかどうかです。土用期間中には、土公神が地上を離れて天界へ挨拶に出向く特別な日が存在し、この日だけは土いじりや草むしりをしても一切の祟りがないとされています。後述する日程表で作業日と間日を照らし合わせると、「実は間日に作業していた」と判明して胸をなでおろすケースが後を絶ちません。
最後に重要なのは、神社仏閣で高額な祈祷を頼むような過剰反応を避け、意識を「反省」から「土と植物への慈しみ」へ切り替えることです。粗塩と酒で清めた後は、手をきれいに洗い、うがいをして温かいお茶を飲む。この一連の身体的アクションによって、心理学でいう「認知的区切り(クロージャ)」が成立し、漠然とした不安感はきれいに解消されます。