クォーターパウンダーが姿を消した直後、日本マクドナルドはその穴を埋めるべく後継商品として「グランシリーズ」を投入しました。ふわふわの蒸しバンズに厚みのあるビーフを挟んだグランは、それまでの無骨なイメージを払拭し、女性客やファミリー層を取り込むことに成功します。
そして2021年、グランシリーズのノウハウを昇華させて誕生したのが、現在の「サムライマック」です。厚みのある100%ビーフパティを用いながらも、味付けを日本人の嗜好に最適化された炙り醤油風ソースへと変更。専用グリルを占有しすぎないようパティの厚みと焼き時間を緻密に再設計することで、厨房の回転率と食べ応えの共存に成功しました。ビジネスとしての完成度は極めて高いものの、このローカライズの成功こそが、かえって旧来のファンに「古き良きアメリカンな肉塊」への未練を残させる皮肉な結果を生んでいます。