「智子」という名を持つ女優において、まず語るべきは山口智子(1964年生まれ)の存在です。短大卒業後にモデルとして活動を始め、1988年のNHK連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』でヒロインに抜擢。瞬く間に国民的知名度を獲得しました。1990年代には『ダブル・キッチン』『29歳のクリスマス』、そして社会現象となった『ロングバケーション』(最高視聴率36.7%を記録)で連ドラの女王として不動の地位を築きます。彼女が体現した「媚びない笑顔」「自分の足で立つ大人の女性」は、当時の働く女性たちにとって決定的なロールモデルとなりました。
一方で、映画界の至宝として鮮烈な足跡を残してきたのが田畑智子(1980年生まれ)です。京都の老舗料亭に生まれ、12歳のときに巨匠・相米慎二監督の映画『お引越し』(1993年公開)のオーディションで何百人もの候補者の中から主演に選ばれました。思春期の揺れ動く少女の内面をむき出しにした演技は、国内の新人賞を総なめにする快挙を達成。その後、2000年のNHK朝ドラ『私の青空』で未婚の母を爽やかに演じ切り、映画『血と骨』ではブルーリボン賞助演女優賞を受賞するなど、役柄に自らを同化させる本格派として評価を確立しました。