SNSや健康相談プラットフォーム(知恵袋やコミュニティ掲示板)には、痛みを軽視して後悔した患者の生々しい告白が数多く寄せられています。日本胸部外科学会や呼吸器学会の関連報告を裏付けるように、患者の証言からはある共通した傾向が浮かび上がります。
都内のIT企業に勤務する30代男性は、自らの体験談として次のように語っています。
「最初は軽い風邪で市販薬を飲んでいたのですが、咳が2週間止まらず、ある朝大きく咳き込んだ瞬間に『パキッ』という感覚と激痛が走りました。湿布を貼って数日我慢したものの、寝返りも打てなくなり呼吸器内科を受診。レントゲンを撮ると第5肋骨に完全なヒビが入っていました。医師からは『咳喘息を放置したせいで骨に過負荷がかかった』と告げられ、もっと早く咳自体を止める治療を受けるべきだったと痛感しました」
また、痩せ型の20代女性からは、気胸の前兆を見逃しかけた緊迫した声が届いています。
「風邪気味で咳をしていたら、突然左胸が息を吸うたびにチクチク痛み始めました。息切れもしてきたのですが『貧血かな』とやり過ごそうとしたところ、階段を登れなくなるほどの息苦しさに。夜間救急を受診したところ気胸による肺虚脱を起こしており、即日入院となりました。医師に『あと半日遅かったら肺が完全に潰れていた』と言われ、背筋が凍りました」
これらの事例に共通しているのは、「ただの咳」「ただの筋肉痛」というバイアスです。日本社会には古くから「少々の痛みや風邪は我慢して乗り切る」という自己忍耐を美徳とする文化が存在しますが、呼吸器系の胸痛においてその心理は取り返しのつかない致命傷を招きかねません。