リリース当時のインタビューにおいて、米津玄師は自身が「王道のラブソング」を真正面から書くことに対して、かつてはどこか照れや気恥ずかしさを感じていたと明かしています。しかし『Lemon』や『感電』など数々の金字塔を打ち立てたのち、改めて人間と人間がぶつかり合う究極の形としての「恋愛」に逃げずに立ち向かう決意を固めました。
人と人が完全に分かり合うことは不可能であるという諦念を持ちつつも、だからこそ他者を求めずにはいられない人間の不器用さを描き切る。そうした真摯な作家性が『Pale Blue』の根底に流れています。
さらにCDパッケージの初回限定盤「パズル盤」「リボン盤」において、特殊なフレグランス(紙に香りを染み込ませた仕掛け)が施されていたことも大きな話題となりました。楽曲の世界観を音だけでなく香りとしても体験させる試みは、音楽を多角的な芸術として届ける米津玄師ならではのこだわりでした。