ネパール料理の神髄といえば、何と言っても「ダルバート(Dal Bhat)」だ。ダル(豆のスープ)とバート(米飯)をベースに、タルカリ(野菜のおかず)やアチャール(漬物)が真鍮のプレートに美しく盛られて運ばれてくる。
一見すると未知の料理に見えるが、一口食べれば誰もが既視感を覚える。優しい豆スープは出汁の効いた味噌汁のようであり、唐辛子や山椒(ティムール)で和えたアチャールは日本の漬物そのもの。これを少しずつご飯の上で混ぜ合わせ、自分好みの味覚覚醒を楽しめるのが最大の魅力だ。重たくなく、食後に胃がもたれない点も、日本人の胃袋を掴んで離さない理由である。