日本の歴史を振り返ると、神と仏は時代ごとに複雑な関係を紡いできた。かつて平安時代には、真言宗の開祖である空海らが神仏習合(神と仏は同一の存在であるという思想)を推し進め、寺の境内に神社が建てられることも珍しくなかった。明治時代の神仏分離令によって明確に区別されたものの、今なお両者が溶け合った独特の聖地が全国に点在する。
代表的な神社の筆頭といえば、皇室の祖神を祀り全国の神社の頂点に立つ伊勢神宮だ。澄み切った伊勢の森に足を踏み入れると、静寂の中に神聖な気が満ちているのを感じられる。一方、都内最古の寺院として賑わう浅草寺は、雷門の大提灯と力強い仏教文化のエネルギーで世界中の人々を引き寄せる。それぞれの名所に込められた歴史のドラマを知ることで、参拝の味わいは何倍にも深まる。