ネット上の掲示板やSNSでは「固まったらとりあえず電源ボタンを10秒長押しすれば直る」という言説が散見されますが、これは極めて危険な誤解です。ストレージ技術がHDDから毎秒10,000MB/sを超えるPCIe Gen5 NVMe SSDへと進化した現在、電源ボタン長押し強制終了のハードウェア負荷は過去の比ではありません。
OSは常にバックグラウンドで一時ファイルやキャッシュの書き込みを行っています。通電を力任せに断ち切る行為は、データ破損リスク対策の観点から最悪の一手です。SSDの内部コントローラーがウェアレベリングやガベージコレクションを実行している最中に電力が落ちると、マスターブートレコード(MBR/GPT)の破損だけでなく、SSD自体が読み取り専用モード(Read-Only Lock)に陥り、二度と起動しなくなる事故が発生します。
データ復旧専門業者の統計データによると、ストレージ障害による持ち込み案件のうち、約32.4%が「フリーズ時の強制電源遮断」を直接の契機としています。画面がフリーズした際は、まずPCケースのストレージアクセスランプ(HDD/SSD LED)を注視してください。ランプが激しく点滅している場合、内部で激しいディスクアクセスが継続している証拠であり、最低でも3〜5分は何も触れずに待機するのが鉄則です。