パピーミル(Puppy Mill)とは、直訳すれば「子犬の製粉所」、すなわち利益だけを目的に子犬をベルトコンベア式に大量生産する悪質な繁殖業者(子犬工場)を指す言葉です。犬の福祉や健康管理を完全に無視し、極限までコストを切り詰めた過酷な環境下で繁殖を繰り返す実態が世界中で批判の対象となっています。
日本においてパピーミルが成立・温存されてきた背景には、独特の生体流通システムが存在します。欧米の主要国ではブリーダーからの直接対面販売や保護施設からの譲渡が主流であるのに対し、日本ではペットオークション(競り市)を介して全国のペットショップへ子犬を卸す大量流通ビジネスが長年定着してきました。
オークション市場では「幼くて小さいこと」が高値で競り落とされる条件となりやすく、この需要を満たすために母犬の体を限界まで酷使して次々と子犬を産ませる業者が利益を上げる歪んだサイクルが生み出されてきたのです。