漫画『17歳。』は、2004年から2005年にかけて『ヤングサンデー』(小学館)にて連載されました。単行本は全4巻で構成され、物語はごく平凡な高校生・神尾博(ヒロシ)の視点から描かれます。どこにでもいる普通の少年が、不良グループの恐怖支配に絡め取られ、後戻りのできない底知れぬ狂気へと転落していくプロセスを徹底したリアリズムで描き出しました。
物語の発端は、ヒロシが不良グループのリーダー格であるミヤモト(宮本達也)たちと関わりを持ったことです。ミヤモトを中心とする不良集団は、街で偶然見かけた女子高校生・大沢サチを拉致し、ヒロシの友人の家に監禁します。ヒロシはいじめの標的から逃れるため、そしてミヤモトたちから受ける暴力の恐怖に屈し、サチに対する監視役や暴行の共犯者として現場に縛り付けられていきます。サチの双子の姉・ミキが必死に妹の行方を捜索する中、監禁部屋では人間の尊厳を徹底的に破壊する暴虐が繰り広げられていきました。
本作に登場するキャラクターは、実際の事件関係者の役割や力関係を綿密にサンプリングして造形されています。
主人公・ヒロシのモデルは、現実の事件において「主犯格の恐怖支配に怯え、犯行を止められなかった下位の共犯少年たち」の内面を凝縮した存在です。一方、冷酷非情な支配者として君臨するミヤモトは、当時の主犯格少年(当時18歳)のパーソナリティや暴虐性を反映しています。被害者となる大沢サチ、そして妹を救おうと奔走する姉のミキという双子の設定は、物語に「失われた日常」と「残された家族の苦悩」を対比させるための劇的装置として機能しています。