放映から長い年月が経過した現在、ケイゾクのドラマ配信による動画視聴環境は劇的な進化を遂げています。かつてはVHSやDVD-BOXをレンタルしなければ鑑賞できなかった本作ですが、U-NEXTを中心とする定額制動画配信サービスにおいて、連続ドラマ本編、特別篇『PHANTOM』、そして劇場版に至るまでが高画質でアーカイブ配信されています。また、TVer等での不定期な無料再配信を契機に、1990年代を知らない若い世代がSNS上でリアルタイムに感想を投稿する現象も定着しました。
動画配信サービスにおけるユーザーレビューやSNSの言説を分析すると、現代の視聴者が本作に抱く感情は単なるノスタルジーにとどまりません。コンプライアンスが厳格化し、予定調和な展開が増えた現代のドラマと比較して、「人間の暗部を容赦なくえぐるグロテスクな描写」や「救いのない結末」、「堤演出による先鋭的な映像実験」が、かえって新鮮で刺激的なコンテンツとして受容されているのです。倍速視聴やタイパが重視される時代にあっても、柴田と真山の息詰まる心理戦は視聴者の離脱を許さず、高い完全視聴率を維持し続けています。