手足口病は主に5歳以下の乳幼児を中心に流行する夏風邪の一種ですが、大人がまったく感染しないわけではありません。多くの成人は過去の感染によって免疫(抗体)を獲得しているものの、手足口病の大人がうつる確率は家庭内感染で約10〜20%に達すると報告されています。
なぜ大人になっても感染してしまうのか、その最大の要因は原因ウイルスの多様性にあります。手足口病を引き起こすのは単一のウイルスではなく、コクサッキーウイルス(A6、A16、A10など)やエンテロウイルス(EV71など)といった複数の種類が存在します。子どもの頃に特定の型に感染して抗体を持っていても、別の型に暴露されれば大人の体でも容易に感染が成立してしまうのです。
特に乳幼児の看病をする親世代は、オムツ交換、よだれの拭き取り、くしゃみや咳を至近距離で浴びるなど、濃密な接触が避けられません。さらに、看病による睡眠不足や疲労で免疫力が著しく低下しているタイミングが重なることで、大人の発症リスクが一気に跳ね上がります。