昨今の映画業界では、刺激的なアクションや大掛かりなVFXを駆使した作品が溢れる一方で、本作のような緻密なファンタジードラマに対する再評価の波が高まっている。一見するとシンプルなシチュエーション劇でありながら、人間の内面を深く掘り下げた構成が、国境や時代を超えて共感を呼んでいるのだ。
「時間を超える」というSF的なモチーフを扱いながらも、描かれているのは極めて泥臭い家族愛や友情、そして恋心だ。だからこそ、鑑賞者はスクリーンの中で起きる出来事を他人事とは思えず、自分自身の過去の記憶と重ね合わせる。不確実性の増す現代において、変わらない人間の情愛を描いた本作は、疲れた現代人の心に効く処方箋となっている。